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もりみちブログ

2019年11月14日

自然史資料の保存

今日の新聞で愛媛県総合科学博物館の協議会の記事が掲載されていた。記事によれば,委員からはアクセスの改善が必要とか観光施設として活用できないかなどの意見があった。また一時減少した来場者が増加したことが報告されていた。
どうも博物館に求められていることは話題性のある特別展などによって来場者を増やすことが重視されているとの印象をもった。多くの人が訪れることで自然に対して関心を持つ人を増やすことも公共施設としては大事なことではある。一方で博物館のもう一つの使命であるはずの地域の自然史資料の収集・保管や自然の調査研究が軽んじられている風潮がないだろうか。学芸員としては悩ましいことだろう。
自然史資料には標本だけでなく文献や分布データも含まれる。手元にある2000件以上の文献のなかには昭和初期の謄写版印刷のものもあり,これらは早い時期にデジタル化して共有することが必要である。また愛媛県内の植物分布データは現在13万件以上を入力しているが,これもデータの共有を検討する必要がある。ただアクセスというデータベースソフトで作られていること,希少種の位置情報もふくまれていることから,どのような残し方がもっとも多くの人が活用出来るのかを考えている。
2019/11/14,hmatsui

まだ博物館に移管していない個人蔵の標本(一部)

愛媛県総合科学博物館の収蔵標本


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