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もりみちブログ

2018年6月5日

ため池の類型 丘池

ため池の立地形態によって,「谷池」と「皿池」の2種類に区分される場合が多いが,オオキトンボの里づくりプロジェクト調査報告書では,丘陵斜面に造られたため池を「丘池」として新しい区分を設定した。
谷池は山間の谷をせき止めて造られ,両岸は山地斜面を利用したもので堤防は谷の下流側に作られた1面のみである。池の周囲の樹林の割合(樹林率)は75%以上の場合が多い。皿池は平地の窪地の周囲に堤防を築いて造られたもので,池は四角形に近い形で堤防が4面ある場合が多い。皿池の周囲は耕作地や居住地であり樹林は少なく,樹林率はおおむね20%以下であり0%の池も多い。
丘池は丘陵斜面にあり,山側は斜面をそのまま利用し,堤防は山側斜面を囲むように半円形に湾曲して作られたものや直線的な堤防3面で囲まれたものがある。丘池の山側斜面は樹林率は30~60%の場合が多い。
2016-17年度の調査によって,谷池,皿池,丘池ではそこに生息するトンボ相に違いがあることがわかり,今後,生物相調査においては谷池,皿池,丘池というため池区分が有効と思われる。hmatsui

善応寺新池.©GoogleEarth


※NPO森からつづく道(2018)平成29(2017)年度 オオキトンボの里づくりプロジェクト調査報告書.


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