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もりみちブログ

2018年2月5日

庄大根と高縄ジビエ(1)

1月28日、エコツアー「庄大根と高縄ジビエの里めぐり」を実施しました。同日は集合時間から寒い小雨が降りましたが、昼食には庄大根とシシ肉のシシ汁などをいただき、体も心もじっくりと温まったおかげで、皆さんには最後まで元気に参加していただくことができたと感じています。

庄大根とは、旧北条市の集落「庄」で江戸時代から受け継がれてきた伝統野菜。鮮やかな赤首できめが細かく、甘く、大きく育つことなど、日頃よく食べる青首大根と比較すると、際立つ特徴がたくさんあります。

ところが一般的な大根との自然交配が進み、庄大根の特徴が失われるという危機的な状況があったそうです。そこで昭和57年(1982年)、地元の農家が県農業試験場に依頼し、庄大根の再生への取組が始まりました。試験場で特徴が強い株の種を選び交配することなどにより、平成6年(1994年)に伝統的な庄大根の復活に成功しました。そして、平成8年(1996年)に庄だいこん保存会が発足。同会では現在6人のメンバーが保存に取り組み、小学校の給食にも提供し、子供たちにも親しまれています。

この時期が旬の庄大根。保存会の皆さんが丹精してくださる庄大根づくしのお昼を楽しみに、年に1度ツアーを企画させていただいており、今回が3回目。食後の保存会の奥さん方との懇談がまた楽しく、リピーターの方もいらっしゃいます。

庄大根を使った漬物、サラダ、大根おろし、煮しめ、大豆との煮物、シシ汁…。どれも上品な薄味ながら、じっくりとした味わいで、食感もいろいろ。作り方・レシピの質問が参加者から次々と寄せられ、担当した方がお答えくださいました。漬物には、収穫してから2~3日経ったものを使うとなじみがよい、煮しめにするときには、煮崩れを防ぐため、大きめに乱切りしたものを2日くらい天日干しすると甘みも増してよい、汁にするときも火が通りやすいので厚めに切るとおいしい、大根おろしは赤い部分を使ってカンボスを加えるときれいな桃色になり、他の調味料は加えなくても甘くておいしい……。庄大根の特性を知り尽くした使い方・コツがぽんぽん飛び出します。生産者さんは大切に育てた庄大根をいかに無駄なく、飽きないように、美味しく食べるかを、代々研究してチャレンジされてきたんだなぁ。野菜を干して使うことは近年広がりを見せているようですが、奥さん方の大根の使いこなし術はさすがです。食後には、圃場で1本収穫して持ち帰らせていただくとあって、皆さん熱心にメモを取られていました。

一番心をくだかれているのが庄大根の種を確保すること。そして、学校給食に出すこともあり、できるだけ農薬は控えているので、種を播いて発芽したものが病害虫にやられずに順調に生育するかも気がかり。昨秋は台風で水に浸かってしまった畑もあって…。と、自然条件に左右されるので毎年何らかのご心配があることがうかがえました。

その土地ならではの作物をどのように活かしながら受け継ぐか…。生物多様性の観点から伝統野菜を知りたいとお願いしたツアーですが、それにも増して6人の奥さん方の活躍ぶりを目の当たりにして、庄大根を生産する方々のふところの深さ、暮らしぶりに感じ入ってしまいました。
ykurokawa


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