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もりみちブログ

2018年9月27日

キンモクセイの香りに包まれて

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朝,路地を歩いていたらキンモクセイの甘い香りが漂ってきた。ヒガンバナが盛りを過ぎた頃,また一つ秋の訪れを感じた。キンモクセイは早春のジンチョウゲ,初夏のクチナシとともに日本の三大香木とされ,秋を代表する香りであろう。
キンモクセイは中国原産の雌雄異株の常緑広葉樹だが日本に渡来したものはどういうわけか雄株だけである。だから花が咲いても実を見ることはなく,増殖は挿し木による。花をよく見るとはなびらは黄色で厚みがあり,先が4つに分れている。短い雄しべが2本あるが,雌しべは退化して中心に痕跡程度に残っている。
この仲間にはギンモクセイ(花は白色),ウスギモクセイ(花は薄黄色),ヒイラギ(花は白色)などがあるが,なかでもキンモクセイがもっとも香りが強いことから庭木として各地で植栽されている。
この匂いに似た物質は古くから化学的に合成されており,20年ほど前まではくみ取りトイレの臭気を消すためにしっかりした匂いのキンモクセイの香りの消臭剤が流行した時代があった。トイレの無臭化が進んだ今ではキンモクセイの香りは店頭で見かけなくなったが,年配の人ならキンモクセイの香りからトイレの香りを思い出す人は多いだろう。キンモクセイには迷惑な話だ。トイレの香りのイメージはその後,レベンダーになり,ついで石けんになり,今では柑橘系など多種になったという。
しかしキンモクセイの香りにはさまざまな活用方法が知られている。古くは中国の「桂茶陳酒」であろう。花を白ワインに3年間漬け込んだもので甘みが強く香りが高いらしい。一週間漬けただけでも飲めるそうなので試してみたい。花をティーバックに入れると,キンモクセイの香りの入浴剤となる。乾燥すると香りが消えるのでドライフラワーには向かないが,花を同量の無水エタノール(無味無臭のウォッカでも代用できる)に浸けて2ヶ月ほどするとキンモクセイの香りの香水となるらしい。スプレーすると部屋がキンモクセイの甘い香りに包まれるだろう。いずれも咲き始めの蕾の時が香り強くて摘み頃だそうだ。2018/09/27,hmatsui


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